目で見て美しいダイヤモンドの選び方

ダイヤモンドはリングを構成する最も重要な部分です。ダイヤモンドはその大きさやグレードによって価格は千差万別で、どのダイヤモンドが最適なのか悩まれる方も多いと思います。この記事では三軒茶屋で50年以上も婚約指輪を作り続けてきたADAM<アダン>が、見た目の美しさを大切にしながらもコストパフォーマンスに優れたダイヤモンドを予算内で選ぶためのノウハウを大公開いたします。

ダイヤモンドの基礎知識

まずダイヤモンドのグレードの内訳を紐解きます。ダイヤモンドの評価は、「ダイヤモンドの4C」と呼ばれる、Carat (カラット)・Color (カラー)・Clarity (クラリティー)・Cut (カット)の4要素で決まります。

Carat (カラット)

ダイヤモンドの重量を示す単位で、1カラットは0.2グラムに相当します。カラットが大きいほど、希少性が高まり、ダイヤモンドの存在感も大きくなるため、もちろん価格も高くなります。

カラットはダイヤモンドの重要な評価基準のうち最も理解しやすい要素であるため、一般的にカラットに目が行きがちではありますが、他の3C(カラー、クラリティ、カット)と合わせて総合的に評価することが大切です。

Color (カラー)

ダイヤモンドの色の透明度を評価します。

ダイヤモンドは無色透明が理想とされ、GIA(アメリカ宝石学会)のカラーグレーディングではDからZまでの範囲で評価されます。Dが最も無色であり、Zに近づくほど黄色味が強くなります。

Clarity (クラリティー)

ダイヤモンドの透明度や内部・外部の欠陥(インクルージョンやブレミッシュ)を評価します。

クラリティは、欠陥の大きさ、数、位置、種類によって評価され、FL(フローレス)からI3(インクルーデッド)までの11段階でランク付けされます。欠陥が少なく透明度が高いほど価値が高くなります。

Cut (カット)

ダイヤモンドの形状と仕上げの質を評価します。

掘り出されたばかりのダイヤモンドの原石は、“ただの石ころ”のようにまったく輝いていません。その原石を美しく輝かせる加工(カット)を施すことではじめてダイヤモンドはあの輝きを纏うことになります。

理想的なカットは光を効率的に反射し、美しい輝きを生み出します。GIAではエクセレントからプアまでの5段階で評価されます。カットが優れているほど、ダイヤモンドはより美しく輝きます。

目で見て美しいダイヤモンドの選び方

ダイヤモンドをグレード至上主義で選ぶことはできますが、もちろんその結果はプライスタグに直接跳ね返ります。

ADAMでは、ダイヤモンド選びにおいて、まず“実際に目で見て美しいこと” を大切にしています。

目で見て美しいと感じるダイヤモンドの要件は、必ずしも4Cすべての評価が高い、つまり価格も高いというわけではありません。

ADAMは老舗アトリエならではの、お客さまのことを本当に考えた、グレードだけを偏重しないダイヤモンド選びをご提案いたします。

Cut (カット)は妥協しない

エンゲージリング用としてダイヤモンドをお選びいただく際、いちばん優先すべき点は「Cut〈カット〉」です。

その原石に緻密で正確なブリリアンカットを施すことで、類まれな屈折率の強さから他のどんな宝石よりも強く美しく光り輝きます。理想的なカットやプロポーションに近づくほど、その輝きが増すためです。逆に言えば、カットが良くなければ、ほかの要素が優れていてもダイヤモンドは美しく光り輝かないのです。
エンゲージリング用のダイヤモンドであれば、「Very Good」以上のグレードをお選びいただくことを推奨しますが、やはり我々のおすすめは「Excellent」です。

ADAMのおすすめはExcellentグレード
Excellent
Very Good
Good
Fair
Poor

カットは最高グレードのトリプルエクセレントのハート&キューピット(3EX H&C)がおすすめ!

ハート&キューピットとは、プロポーションとシンメトリーに優れたダイヤモンドは、特別なルーペで見ることにより8つの“ハート”と“矢”の形を見ることができます。恋の天使(キューピット)がハートを射るというストーリーを込めて、「ハート&キューピット(H&C)」と呼ばれています。非常に希少性と価値の高いダイヤモンドです。

8つのハート

下面から見た図

8つの矢

上面から見た図

次に、「Color〈カラー〉」の良いダイヤを。

リングに留められているダイヤモンドは、光がよく入るのでその良し悪しが肉眼でも分かります。
その中でも「Color〈カラー〉」は、無色透明なのか黄色がかっているのかが、比較すれば一目瞭然で分かってしまいます。
そこで、カットの次にダイヤモンド選びで重視したい点はカラーです。エンゲージリング用のダイヤモンドには、最低でも【G・H】以上のグレードをお選びいただくことをおすすめします。

ADAMのオススメは無色のD、E、F

D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
R
S
Z
Dに近づくほど無色、Zに近づくほど黄色

「Clarity〈クラリティー〉」は、必要最低限のグレードで。

ADAMのダイヤモンド選びのポリシーで、いちばんのポイントは「Clarity〈クラリティー〉」のグレードの捉え方かもしれません。
多くのブライダルリング専門店では、“奇跡のIFクラスを用意”“VVS以上だけを使用”などクラリティーを重要視している傾向がありますが、
ADAMでは、どのようなキズ(内包物)がどのような場所にあるかが重要であって、クラリティーのグレードが特別に重要だとは考えていません。
エンゲージリングともなると“無キズ”というフレーズに惹かれがちですが、IF・VVSといったグレードは顕微鏡の世界の話で、いちばん重要な“実際に目で見て美しいこと”の価値観においては、“10倍の拡大で発見が困難な内包物がある”という【VS】クラスでも十分で、キズの位置に問題がなければ【SI】クラスでもダイヤモンドの美しさに大きな影響はないといえます。
予算的に余裕があればグレードが高い方がより良いですが、VSと比較するとVVSはカット・カラーのグレードが同じでも価格が1.5倍くらい高くなってしまいます。
ADAMでは、VVSの0.3ct程度と同じ価格で、目で見た美しさがほぼ変わらないVSの0.5ctのダイヤモンドを選ぶような決め方をおすすめしています。

ADAMのオススメはVS1〜SI1

FL
IF
VVS1
VVS2
VS1
VS2
SI1
SI2
I1
I2
I3
FL-IF: 10倍に拡大して無傷
VVS1-VVS2: 10倍に拡大して発見が非常に困難な微小な内包物
VS1-VS2: 10倍に拡大して発見が困難な内包物
SI1-SI2: 10倍に拡大して発見が容易、肉眼では困難
I1-I3: 肉眼で発見が容易な内包物

そして、予算に合った「Carat〈カラット〉」のダイヤを。

0.1ct

直径 3.0mm

0.2ct

直径 3.8mm

0.3ct

直径 4.4mm

0.4ct

直径 4.8mm

0.5ct

直径 5.1mm

0.7ct

直径 5.8mm

1.0ct

直径 6.5mm

ダイヤモンド選びにおいて最低限の条件である「Cut〈カット〉」と「Color〈カラー〉」のグレードを満たしたうえで、
予算に合わせて可能な限り大きな「Carat〈カラット〉」のダイヤモンドをお選びください。
しかし、大きいほど迫力があるからといってカラットを優先させて、カットとカラーのグレードを下げるのは賢明ではありません。
大きければ大きいほど良いというわけではなく、手の大きさとの相性もありますので、綺麗なダイヤモンドであれば、0.3ct程度の大きさでもエンゲージリングには十分であるとADAMでは考えています。

まとめ

「Cut〈カット〉」「Color〈カラー〉」の優先順で考えたうえで、最終的にご予算とご自身のイメージにぴったりのカラットを決めることをおすすめします。

予算ごとに、おすすめのダイヤモンドは?

それでは具体的に、ご予算別におすすめのダイヤモンド選択例をご紹介します。
これまでのADAMのダイヤモンド選びのポリシーから厳選した、ダイヤモンドの一例です。

下記のご予算の価格は、ダイヤモンドのルース代金の価格になります。
下記のルース価格にリング本体の加工代金を合計した金額が、最終的なエンゲージリングの価格になります。

ルースダイヤモンドの参考価格

0.2ct

10万円前後
Color: D, Clarity: VS1, Cut: 3EX H&C

0.3ct

20万円前後
Color: D, Clarity: VS1, Cut: 3EX H&C

0.4ct

30万円前後
Color: E, Clarity: VS2, Cut: 3EX H&C

0.5ct

40万円前後
Color: E, Clarity: VS2, Cut: 3EX H&C

ADAMおすすめのダイヤモンドの選び方は、いかがでしたでしょうか?お客さまのダイヤモンド選びに、少しでもお役に立てれば幸いです。
ADAM店頭には、ダイヤモンドの代表的なグレードのサンプルがございます。ご来店いただき、実際に手にとってご覧になれば、大きさやグレードの違いがよりお分かりいただけると思います。まずは、お気軽にご来店ください。

ADAMでお買い上げいただくグレード付きのダイヤモンドには、すべて中央宝石研究所の鑑定書をお付けいたします。

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