石巻の中学校へキャリア教育セミナーの講師として出掛けてきました

代表の藤森です。

先日、11/2(水)に、被災地の子どもたちの遊びと学びを支援する「プロジェクト結」が協力して行ったプロジェクトにて、石巻市桃生中学校へキャリア教育セミナーの講師として出掛けてきました。

このキャリア教育セミナーは、もともと桃生中学校で毎年、全校生徒を対象に、地元の色々な職業の方が講師として招かれ行っている年中行事なのですが、今年は震災の影響で、地元での講師の募集を行うことが出来ず、今回プロジェクト結の協力・呼びかけにより、日本中から様々な方面で活躍されている方が講師として集まりました。

プロジェクトの詳細は、こちらのプロジェクト結のHP をご覧下さい。

http://project-yui.org/?p=1399

僕も、ジュエリーを仕事としている人として、講師の一人としてお招きいただくことになり、出掛けてきました。

当日の移動では東京からは間に合わないので、前泊する事になり、石巻でのプロジェクト結のボランティア活動の拠点となっている、湊水産さん に宿泊させていただきました

湊水産さんも、震災時に津波で大きな被害を受け、工場や店舗、そしてご自宅の建物の2階部分まで浸水し、被害直後は、かろうじて無事だった工場の3階部分の休憩室に地域の方が80名以上避難していたそうです。

その後ボランティアの方の力も借りて、なんと震災から2ヶ月弱で生産を再開したという脅威のたらこ屋さん です。
湊水産さんの被災から復旧の様子 (湊水産さんのホームページです)
そちらのご自宅が、現在プロジェクト結の活動拠点として提供されていて、僕らはその工場3階の休憩室に泊めていただきました。

10数名の講師の方が一緒に泊まりましたが、世界的に活躍されている写真家の方、新聞社論説福委員長、大手メーカーやTV局のCRSの方、劇団のプロデューサーの方、美容師の方などなど、とても魅力的なメンバーの方々が集まっていて、明日中学生には何を話したら喜んでもらえるだろう、といった話から、それぞれのお仕事に関わる話、それぞれが関わっていらっしゃるボランティアの話、中学生たちがこれから生きる震災後の日本の未来についてなど、夜遅くまで話をしました。本当に大きな刺激となる貴重な夜でした。

 

当日の朝、セミナーの前に石巻の現在の姿を感じたいと思い(前日到着が既に日が暮れた夜だったので)、朝6時頃に起きて、車で津波の被害の大きかった沿岸部や商店街を一時間あまり周り、初めて被災地の中に身を置きました。

かなり瓦礫の撤去も進み、道や橋、建物や様々な施設が復興へ進んでいましたが、早朝の誰もいない沿岸部の、その空気、風、色、匂い、光、そして音。
人為的に破壊されたのとは違う、その雰囲気というか空間が、ズンと身体の中に入ってきました。

 

朝9時半に、いよいよ石巻市立桃生中学校へ到着。

こちらの中学校は、やや内陸にあり、幸い津波での被害はなかったようですが、やはり震災直後は物資の不足など大変だったようです。美しい山里にあり、渡し舟で川を渡って通学する生徒もいるという素敵な中学校です。

まずは、講師の方々全員が一同にそろい、事前の打ち合わせ。

昨夜から一緒の方々に加えて、パイロットやCAの方、俳優の方とそのマネージャーの方、銀行の方、保険会社の方、カウンセラーの方、デザイナーの方、本当に各方面で活躍されているさまざまな方が25名集まりました。

 

2時限目が終わるチャイムが鳴り、担当する生徒さんが迎えに来てくれていよいよ教室へ。
授業開始です!


用意してきた写真やムービーを使い、まずはジュエリーのデザインや制作についての説明。

実際にブラジルで仕入れてきたクオーツの原石やかなり変わった結晶の石、そして色々なデザインのジュエリーを実際に手にとってもらい、ジュエリーの幅広さを実感してもらいました。

最初のセミナーは、女子生徒の子ばかりで、やっぱりジュエリーに興味があるのは女の子なんだなぁと思っていましたが、2回目は半分は男子生徒で、最初はぜんぜん興味を示していなかったのが、ジュエリーのものづくりな部分に徐々に興味がわいて反応が良くなって行く様子がとてもうれしかったです。

内容の詳細は省きますが、ジュエリーを仕事にする魅力について伝えたのは、次の3つ。

①ジュエリーは一人ですべての仕事(デザイン、仕入れ、製作、そして接客、等々)が行える数少ないプロダクト(製品)であること
②宝石や貴金属など、もともと自然が持つ魅力や価値を生かして、ものづくりが行えること
③なにより、基本的に人生の幸せな場面に携わる仕事であること

そして、自分の将来や進路を考える上でアドバイスとして、ジュエリーを仕事にするには、あらゆるセンスや経験が発揮され、その人そのものの魅力がそのまま仕事で生かされやすいが、こうすれば仕事につける、成功すると言うはっきりとした道すじはないので、是非人と違った道を生きることを恐れずに、人と違うこと、そのものがその人の魅力になるのでは、と伝えました。
2回の授業が無事終わり、そのまま生徒の皆さんと一緒に給食を頂くことに。

震災の影響で、給食センターが再開しておらず、献立はまだかなり制限されていて、食器を洗うことは出来ないので、各自持ち帰って自宅で洗っているとの事。

でも20年ぶり以上の給食、とてもおいしかった!
余ったパンを誰が食べるかじゃんけんで決める食欲旺盛な光景がノスタルジーでした(笑)。
給食を頂いた後、講師全員図書室に戻り、まとめとして各自の感想を一言づつ話し、中学生へのメッセージを色紙に記し、今回のキャリア教育セミナーは無事終了しました。


↑一緒にセミナーを行った講師の皆さんたち

その後、中学校をあとにして、プロジェクト結が石巻の仮設住宅で継続的に行っているボランティア活動を少しだけお手伝いしてきました。

子供たちとお年寄りの放課後活動を支援する活動で、仮説住宅内の集会所にて定期的に遊び場を提供するというボランティアです。
プロジェクト結の支援活動の詳細はこちら


↑子供たちが来る前に、集会所を遊び場にするため準備中。
懐かしい野球盤(のすごい進化版)があって思わず遊ぶ。
まずは、子供たちを集めに仮説住宅内を練り歩き。最初は、集会所へ行って一緒に遊ぼうと誘っても、子供たちとの距離がなかなか掴めずに戸惑いましたが、そのまま外でちゃんばらをしておっかけっこをしているうちに段々心を開いてくれ、一緒に駆け回りました。男の子はやっぱり外で走り回りたいんだろうな~、と強く感じました。

やがて外が暗くなってくると、外で遊んでいた子供たちもいつの間にか集会所に入り、XBOXのキネクトを使って遊んだり、手芸アクセサリーを作ったり、クッキー作りに夢中になっていました。

ここで、僕の時間はタイムアップ、今日の集会所での活動時間終了を待たずに、一路東京へ。

帰り際に、湊水産の木村社長と奥さんに挨拶して、こちらも津波の被害にあい9月に営業を再開したばかりの石巻焼きそばの店「藤や食堂」 でマスターの焼きそばに対する熱い想いを聞きながらおいしい石巻焼きそばを食べ、一路東京へ。

東京に到着したのは、深夜2時。

かなり強行軍の石巻行でしたが、中学生たちの純粋で強い好奇心、仮設住宅の子供たちのはじけるエネルギー、津波の被災の中でも全く挫けずに笑顔で迎えてくれた湊水産の方々、石巻で活動していらっしゃる結のメンバーやボランティアの方々、そして今回一緒にセミナーを行った講師の方々から、たくさんの刺激や、次へ繋がる示唆を頂きました

皆様、貴重な機会を与えて頂きありがとうございました。

↑色紙にメッセージをといわれて、困り果てましたが書きました。。

 

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