デザイナーの伊東です。
最近、めっきり映画館に行ってまで映画を見なくなりましたが
たまたま友人に「なにか面白そうな映画ない?」と聞いたところ
この作品を教えてもらいました。
ちょうど封切られたばかりだったので、早速いってまいりました!
デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作、“危険なメソッド”です!
二人の偉大な心理学者、カール・G・ユングとジークムント・フロイト
そしてユングの元患者で愛人だったザビーナの三人で描かれる史実に基づいた物語です。
クローネンバーグ監督といえば、視覚的でドロドロしたフェティッシュなカルト映画、
というイメージが強かったんですが、超正統派のきっちりした映画だったことに、まず意外な感じがしました。
人の内面を観察することに長けているのは健在、というかさらに進化していて、
感情的に描きがちなストーリーを映像でなく言葉で表現することで
かえって心の動きが際立って、深く面白い映画でした!
内容はかなり事実に則したものになっていて、美術も時代考証がしっかり行われているようです。
リアルに徹したつくりが、より映画の本質を際立たせています。役者さんも本人そっくりで驚きです。
ユング役のマイケル・ファスベンダーのクラシックな装いにホレボレ…
やっぱり外国人のスーツ姿はかっこよすぎます!
ヴィゴ・モーテンセンはフロイトにしてはゴツいかな?という感じでしたが、父親的存在感バリバリで圧倒です。
公開前から話題になっていたザビーナ役のキーラ・ナイトレイの演技は、すごすぎて途中笑いそうに…(笑)
“ブラック・スワン”のヴァンサン・カッセルもヘンテコ快楽主義者の役で登場します。
すばらしいキャスティングです!
私はもともとユングに興味があって、いくつか本も読んでいたので
知っているエピソードがでてくることで、より面白く観ることができたかもしれませんが
ユングやフロイトを知らない方でも、人の心を描いたストーリーとして楽しむことができる映画です。
最後のユングのセリフがずっしり、泣けました…
どんなセリフかは、映画館で観てみてくださいね!
“危険なメソッド” 原題:A Dangerous Method
監督:デヴィット・クローネンバーグ
2012年10月27日公開
関東地区:TOHOシネマズシャンテ、Bunkamura ル・シネマなど