バンコク出張報告の第2弾は、いよいよ手に入れた宝石たちのご紹介です!
今回も数百のブースを見て歩き、その中から狙いを定め、一つ一つ石に穴が開くほどよく見定めて、限られた時間の中でたくさん仕入れを行いました。
まずは、カジュアルな宝石たちからご紹介。
ここで取り上げる宝石は、全部でいったいどのくらいの金額になるのだろうというスゴイ量の石が、とても宝石とは思えないくらいドドっとトレイに山済みになっていたりする中から、それぞれ長いときは数時間の時間をかけて選び出した石たちです。
あれだけたくさんの中から選ぶというのはまさに出会いそのもの。一つ一つに本当に思い入れが出てきます。
バンコクの仕入れの大きな目的が、カービング(表面に彫りが施された)の宝石ですが、その中でも葉っぱの堀が入っているものは定番です。
上の写真の緑色は、綺麗なカービングトルマリン。うち二つはうっすらピンク色とのバイカラー(2色)です。
下の写真は、カービングサファイヤとルビーです。サファイヤはうっすらシルバーががった金属質の輝きが魅力的です。ピンク色のカービングルビーは、中々見ないめずらしいものです。
次は半貴石のカボッション(表面がカット面になっていなくてつるっとした石)の石です。
店長藤森は、カボッションカットの石が心から大好きで、特に意識するわけでもなくいつの間にかカボッションの石ばっかり手に入れる癖があります。
上の二つは今回もたくさん仕入れた半貴石のカボッションのうちお気に入りの2種類。
上は、トルマリンのカボッションです。大きさはちょうどM&Mのチョコレートくらい。厚みがそれ程ないのに色ははっきりと出ていて、それこそ何十種類という色がある中から30分くらいの時間をかけて上の3ピースをチョイス。
下は、半球に近い高さのあるルチルクオーツです。ルチル(石の中に入る金色の結晶体)が綺麗に一方向に入っているため、写真だと照明の関係ではっきりと出ませんが、綺麗なキャッツアイの出るめずらしいルチルです。
最後の2枚の写真は、ルビーです。ルビー、サファイヤ、エメラルドは、宝石の中でも三大貴石と呼ばれていますが、バンコクのジェムショーは、その三大貴石の集積地で、1ピース数千万円のスゴイ石から、上の写真のようなめずらしいルビーまで、本当にたくさんの種類のルビーやサファイヤを見ることが出来ます。
上の写真は、カボッションのルビー。日本で一般的にジュエリー使われるルビーやサファイヤは、ほとんどがダイヤモンドのようにカットされたファセットカットのものが殆どで、カボッションのルビーというとインドスタールビーが比較的知られていますが、写真のような、インドスターでない普通のカボッションルビーは意外と日本ではほとんど使われる事がなく珍しいルビーです。
下の写真は、ルビーの原石です。ルビーとサファイヤは、実はコランダムという全く同じ鉱物ということを知っている人は、結構宝石に詳しい人ですが、コランダムの結晶の特徴である六角柱状に結晶化した形がよくわかる原石です。原石といっても、表面はとても艶があり、半透明の石の内部は、入る光を微妙に反射してなんとも綺麗です。カットをする前からこれだけ美しいのはさすがルビー。この石はこの原石の形を生かして製作しようと思い、時間をかけてこの3つを選びました。
どちらもルビーも価格としては、カットされたいわゆる綺麗なルビーに比べると何分の一の値段に手に入るのですが、石が持つ魅力はその価値以上というか、むしろ綺麗なルビー以上の強い個性を持った宝石です。
さて、次回はいよいよ今回の出張で仕入れた石の中でも目玉の宝石たちを紹介します。楽しみにお待ち下さいね!